【修了者紹介】自分のその時々の状況に合わせて開催できるので、やりやすい

 

ファシリテーター養成研修 修了者紹介

 

レジリエンスではDV・トラウマについて考え学ぶ12回の連続講座「レジリエンス☆こころのcare講座」を行っています。それを日本全国、各地で広くおこなっていただけるよう、ファシリテーター養成研修を2007年より開催しています。

 

現在(2013年12月末)までに、北海道から沖縄まで、述べ977人の方々が、6日間の研修を修了されています。

 

研修を修了された皆さんが、DVや暴力被害にあって傷ついている人たち(☆さんたち)にどのように情報を届け、活動されているかをぜひ知りたい、日本各地の☆さんや、多くの人たちに知っていただきたいと思い、お話を伺っていきます。

 

第一弾は、福岡県のHさんにお話を伺いました。

 

インタビュー日:2014年8月
インタビュアー:栄田千春

 


 

『自分のその時々の状況に合わせて開催できるので、やりやすい』

 

福岡県 Hさん(2009年福岡研修にご参加)

 

レジリエンス(以下R):こんにちは、インタビューをさせていただくのは初めてでちょっと緊張しますが、よろしくお願いします。

 

Hさん(以下H):なんでも聞いてください。

 

R:現在、どのような形でお仕事や活動などをされていらっしゃるのですか?

 

H:行政でDV被害者の方の支援やこころのケア講座を開催するかたわら、民間のNPO法人の一員として、女性と子どもの支援活動、主に電話相談や面接相談などもおこなっています。

 

R:行政のサービスの1つとして、こころのケア講座を開催されているんですね。12テーマすべてをおこなっているんですか?

 

H:いえ、12回はちょっとボリューム的に難しいので、5回連続を1クールという形です。1クールごとにテーマを入れ替えたり、他のテーマの内容を少し取り入れたりしています。
また、NPOのほうでも相談の時にチェックリストを使わせてもらったり、DVについて説明するときに内容を抜粋して伝えたりしてもいます。

 

R:講座だけでなく、いろんな形で使っていただいているんですね。☆さんに情報が伝わることが大切だと思うので、とても嬉しいです。
ファシリテーター養成研修に参加されようと思われたきっかけはどんなことだったんですか?

 

 

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福岡Hさん

H:レジリエンスのことはその前からなんとなく聞いていて、本(注:『傷ついたあなたへ』)も読んだりしていたんです。たまたま、職場にファシリテーター養成研修を福岡でやるよ、というチラシが届いて、「自分の知識をもう少し深めたいな」という感じで参加しました。最初は特に講座を開こうと思っていたわけではないんです。研修を受けた時も「なるほど、勉強になったな」という感じで。

 

R:そう仰っていただく方、結構多いんですよね。講座を開催するファシリテーターを養成する研修ではあるのですが、12回の講座を開くとなると、ちょっとハードルが高そうだな、と感じるのかもしれませんね。

 

H:そうですね。最初から「絶対講座を開いてください」と言われたら、ちょっと参加しづらいですね。でも、自分の普段の仕事の裏付けとしての知識であったり、自分の状態や気持ちを改めて確認することだったり、そこで得たものを☆さんや、身近な人に情報としてちょっとずつ伝えていく、という形で使うこともできると研修の時に言われたので、すっと入っていきやすかったな、とも思います。

 

結果的に、相談の中で一部使ったり、講座を12回ではないけれど5回くらい開催したり、自分のその時々の状況に合わせてできるので、やりやすいと感じます。

 

R:講座に参加された方や、相談に来られた☆さんは、どのようなご様子ですか?

 

H:はじめは表情が硬いのですが、講座の回が進むごとに和らいでいくように感じます。アンケートも書いていただいているのですが、「こういう講座を続けてほしい」という意見をたくさんいただくので、みなさんこういう場を望んでおられるんだなと思います。

 

☆さんにとって、まず一歩を踏み出す時に感じるハードルがあるのではないかと思うのですが、そういうときに有効な講座なのかもしれないな、と思います。

 

R:講座を開催されたり、相談業務の中で活用していただいたりといった中で、工夫されていること、うまくいったと感じること、逆にここらへんが難しいといったことなど、ありましたら教えていただけますか?

 

H:最初に講座を企画したときに、対象を「DVの被害にあわれた方」と限定したところ、開催に足る人数が集まりませんでした。やはりある程度の成果の見通しがないと、行政の企画としては難しいところがあるのです。そこで、当事者の方に限らず、傷つきを感じている方、関心のある方はどなたでもOKですと変更したところ、申込が増え、開催できるようになりました。

 

また、資料を印刷するとき、通常は白黒の印刷機を使っての印刷になってしまうのですが、せっかく元の資料がカラーで、かわいいイラストなども入っているので、ぜひそれはこだわりたいと思い、担当者に頼んでカラープリントの許可をもらって印刷しました。

 

R:行政という大きな組織の中ではさまざまなルールがあって、難しいところも多いのだと思いますが、ひとつひとつ丁寧に課題をクリアしながら開催にこぎつけられているところに、心打たれます。私たちは民間団体なのである意味とても自由にできますが、参加費をいただかないと継続できない部分があって、困っていらっしゃる☆さんが参加できない、というジレンマも抱えています。その点、行政の企画だと☆さんも負担なく参加できますし、広報力も違いますから、必要な☆さんに情報が届けられますね。

 

H:そうですね。行政だからこそできること、民間だからこそできること、それぞれ強みがあって、それぞれが補いながら協力していくことはとても大切なことだと思います。

 

また、民間団体のほうの活動としてですが、他県の団体が「ネットワークしたい」と声をかけてきてくださって、そちらと一緒に勉強しあったり助けあったりしながら、こころのケア講座を開催しようと考えています。こうして自分たちの活動が広がっていくことで、まだつながっていない多くの☆さんたちにつながることができると思うので、嬉しく感じています。

 

R:活発な活動に刺激されます。他の修了者の方、ファシリテーターに興味のある方に、何かメッセージがありましたらお願いします。

 

H:福岡近隣でも修了者の方がかなりいらっしゃると思うのですが、継続的に講座を開催されているといった情報をあまり聞くことがないので、もったいないな、と思うことがあります。私自身も最初は講座をしようと思っていませんでしたし、この仕事をしていなかったら、もしくはNPOに所属していなかったら、すごくハードルが高いと感じたかもしれません。でも、やってみると意外とできちゃうものだな、というのが実感で、やりながら自分の学びにもなり、何より、☆さんが力をつけていかれるのが目に見えて感じられるので、やりがいにもつながっています。関心ある人同士がつながることが、何か踏み出す一歩になるかもしれないなと思うので、他の修了者の方ともつながっていけたらいいな、と思っています。

 

R:レジリエンスへの要望や、こうだったらいいのにな、という点はありますか?今後の参考にさせていただきたいので、ぜひ率直に教えてください!

 

H:そうですね・・・。はじめは講座の仕方とか、全く分からなくて不安だったので、そういう実践的な内容も研修の中で学べたら少し不安も減ったかもしれませんね。たとえば、スクール形式がいいのかな、車座がいいのかな、最初にどこまで説明したらいいかな、そういう細かいことも含め、全部手さぐりで試行錯誤でしたし、「これでいいのかな」と不安なんですよね。

 

ファシリテーター養成研修では12テーマの内容を学ぶだけでもかなりの情報量なので、時間的に難しいのかもしれませんが・・・。もし研修内で難しければ、「こういう時はどうしたらいいんだろう」と迷った時に参考にできるようなQ&Aとか、「他の方はどうしているのかな?」というのがわかるような何かが、ホームページとかにあったらありがたいです。

 

R:おっしゃる通りですね。実際に開催しようとするとわからない部分がたくさん出てきて不安になりますね。レジリエンスでは基本的に、皆さんそれぞれのやり方でやっていただきたいという思いがあって、それは変わらないのですが、参考にできるものがないのは不安というのもよくわかります。「よくあるQ&A」のようなページという案、実現できるようがんばります。

 

また、「他の方はどうしているんだろう」という部分については、まさにこのインタビューの目的でもあるんです。修了者の方のさまざまな取り組みをご紹介し、記事を読んだ方がファシリテーターに興味を持ってくださったり、☆さんが「この人の講座に行ってみようかな」と思ってくださったり、修了者の方が「なるほど、こんな風に情報を使うこともできるんだ」と参考にしていただいたり、そんな風になったら嬉しいなと思っています。

 

H:記事を読んでくださった方が「講座に参加してみようかな」、とか、「やってみようかな」と思っていただけたら嬉しいですね。

 

R:今日はいろいろとお伺いできて楽しかったです。どうもありがとうございました。
また今後の展開も教えてくださいね。