【修了者紹介】帰る時には笑顔になって、少しでも気持ちが軽くなって帰ってもらいたい

 

ファシリテーター養成研修 修了者紹介

 

レジリエンスではファシリテーター養成研修を2007年より開催しています。
現在(2013年12月末)までに、北海道から沖縄まで、述べ977人の方々が、6日間の研修を修了されています。

 

第二弾は長野県中野市の芳川文子さんにお話を伺いました。

 

インタビュー日:2014年11月
インタビュアー:栄田千春


 

『帰る時には笑顔になって、少しでも気持ちが軽くなって帰ってもらいたい』

 

長野県中野市 芳川文子(よしかわふみこ)さん
中野市福祉課母子父子自立支援員。2012年東京研修にご参加。

 

レジリエンス(以下 R):今日は長い研修の後のお疲れのところ、お時間をいただきありがとうございます。
インタビューをさせていただけてとても嬉しいです。

 

芳川さん(以下 芳):こちらこそ、楽しみにしてきました。職場の上司に「研修の後はインタビューを受けるんです」と言ったら、「芳川さんが有名になって羽ばたいて行っちゃうんだなぁ」って言われたんですよ(笑)

 

R:有名になっちゃうくらい多くの方に読んでいただけるサイトだと良いんですが・・・。芳川さんは、長野県中野市で講座をおこなっていらっしゃいますが、お仕事や活動はどのようなものですか。

 

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:中野市の福祉課の母子自立支援相談員として、死別や未婚など様々な理由でひとり親家庭になった方や、離婚前後の生活相談、子どもの面会交流や養育費の問題などの相談を受けています。相談者さんのお話を聞いている中で、DVでは?と思うケースも多々あります。また、こころのケア講座を月に1回くらいのペースでおこなっています。

 

中野市 こころのcare講座【Qimama~気まま~】

 

R:12回すべて開催していただいているんですよね。講座も中野市の業務としておこなわれているのですか?

 

:はい、中野市の業務として開催しています。昨年度は私の勤務の関係で平日の午前中におこなっていたのですが、土日にしてほしいというご意見があり、今年は土曜日の午前中に開催しています。上司が理解のある人で、「こういうことは必要だね、土曜日に出勤で申し訳ないけど、ぜひやってください」と応援してもらっています。

 

R:芳川さんは、レジリエンスが東京の四ツ谷でおこなっているこころのcare講座にも参加してくださっていますね。中野市からお時間をかけて来ていただいていて、感謝していますし、向学心を見習わなければと思っています。

 

:自分の伝えていることがこれでいいのかなと確かめたり、自分自身のケアも兼ねて、可能な限り参加したいと思っています。報告書として職場に提出もしていて、それを上司が読んで「僕は芳川さんの報告書で勉強させてもらってるよ」と理解を深めてくれています。

 

R:ファシリテーター養成研修にご参加いただいたきっかけは何だったのですか?

 

:県庁の研修に参加した時にレジリエンスの中島さんの講演を聞き、論理的でわかりやすい説明に「なるほど」と思ったのがきっかけです。その時にファシリテーター養成研修というものがあると知りました。福祉課に勤めるようになって、DVを含めて様々な暴力がいろんな問題に関わっていることを感じていました。多くの人とふれあう仕事ですし、相談に来られた人が帰る時には笑顔になって、少しでも気持ちが軽くなって帰ってもらいたい、「わかってくれる人がいたんだ」と思ってもらいたいという気持ちで、スキルアップのために参加しました。

 

R:実際に参加していただいた感想はいかがでしたか?

 

:こころのcare講座の内容は、どれもとても大切な内容だなと思います。講座に参加する人にとっても、またバーンアウトせずに支援を続けていくためにも、この講座で得た知識が役立っているように思います。

 

相談の中で私ができることは後方支援だと思っていて、選択肢を提示することしかできません。実際に選んで実行していかれるのは相談に来られたご本人自身で、その力を信じることが、私にできることだと思っています。ファシリテーター養成研修に参加する中で、その思いが形になっていったように思います。

 

R:研修でお伝えした内容は、講座や、相談の中で活用していただいている感じですか?

 

:はい、講座だけでなく、相談の中でも資料を使って説明をしたりしています。資料は絵や図が多いので、それを活用しています。ビジュアルにすることでご本人の中で整理ができて、とても分かりやすいそうです。私が描いた図やメモなどを持って帰って、お守りのように大切にされている方もいます。

 

R:講座には、相談からつながる方も多いのですか?

 

:相談の際にもお知らせはしますが、相談から講座のほうに来られる方は今はそんなに多くありません。講座に参加された方に伺うと、ホームページやチラシ、広報誌などで知って来られたようです。

 

最初の年は「こころのcare講座」というタイトルでおこなったのですが、タイトルそのままだと特化されてしまうというか、自分には関係ないと思ってしまうという声があったため、今年は講座名をQimama(きまま)とし、サブタイトルに「こころのcare講座」と入れています。幅広い年齢層の方に来ていただけるようにと願って名付けました。

 

R:タイトルやテーマ名はとても重要ですよね。

 

:そうなんです。こころのcareと入っていることで、「ちょっと違うかな」と思われる方もいる一方、「このタイトルだったから来てみました」という方もいるので、どちらの視点もあるんですよね。

 

「傷つきによる喪失とグリーフ」の回には、助産師さんが参加されました。治療の中で患者さんのグリーフと向き合うことが多いとのことで、「こういう視点でお話が聴きたかった」と仰っていました。

 

他の県の修了者の方の講座で、各回のテーマのタイトルが分かりやすいと思ったので、参考にさせてもらおうかなと思っているところです。

 

R:ほかにも講座や業務の中で工夫されたことなどはありますか?

 

:講座のあとのワークの時間に、手を動かして物を作っていただくような時間を取っています。扱い易いアルミワイヤーでキャンドルホルダーを作ったり、折り紙を使って色々な形のツリーを作ってみたり、ちょっとした工作です。ピアサポートグループはおこなっていないのですが、アートの中で工作をしながら、参加者の方がいろいろと話をしてくださったりしています。人数としては毎回2~5人くらいと決して多くはないのですが、その分皆さんが落ち着いてお話ができたり、手を動かすことで笑顔が出たり、人数だけでは測れない効果があることを実感しています。

 

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R:講座の回を重ねることで、参加者の方に変化などはありますか?

 

:みなさん回を追うごとに、この講座の必要性をどんどん感じてくださって、「もったいない、もっと広めたい」とおっしゃる方が多いです。実際に、口コミで紹介してくださる方もいます。

 

また、出前講座として話してほしいと依頼をいただいて、公民館でお話をさせていただいたり、集まりでお話をすることもあります。市に所属しているため依頼書をいただければ出向いてお話をすることができますし、私もぜひ情報を広めたいと思っています。

 

R:今後のご予定や展開などはいかがですか?

 

:現状の課題として、今は一人でおこなっているので、一緒にやっていける人がいるといいな、と思っているところです。男女共同参画のほうの職員さんや、相談員さんにも少しずつ声をかけています。

 

デートDVに関しても、何か始めていきたいと考えています。相談を受ける中で、若年妊娠の問題、未婚の母子、早期の離婚、学歴がなく、運転免許や資格等もなく、就職が難しかったり、貧困の問題などもあります。一つの問題だけでおさまるわけではなく、すべては関連していて、包括的に考えて取り組まなければならない問題です。中学生、高校生の内に、人権のこととして伝えていくことが大切だと思い、長野県男女共同参画センターのカウンセラーさんと一緒に何かできないか、話し合っている段階です。

 

中野市は長野県の中でも規模はそれほど大きくなくて、人口4万5千人の市です。小回りがきいて、先進的なことを進めていくにはとても良い環境かもしれません。一気に世の中を変えることはできませんが、草の根的に継続していくことが大切だと思っています。

 

R:芳川さんが東京での研修に何度も参加され、その後も継続的に情報を取り入れて講座を続けられていて、その姿に上司や講座参加者の方たちも心動かされて応援していて、もうすでに芳川さんが変化を起こしていますよね。

 

:私は周囲に恵まれていると思います。職場の理解もあり、人と接することができて、今の職場で働けるのがとてもありがたいと感じているんです。

 

R:では最後に、他の修了者の方々へのメッセージや、レジリエンスに対する要望などありましたらお聞かせください。

 

:レジリエンスには、方向を示す羅針盤として存在し続けてほしいと思っています。あと、フォローアップ講座をぜひ開催してください。新しい視点や伝え方のバリエーションなど、いろいろ知りたいです。

 

今の時代はインターネットなどもあるので、修了者のみなさんには、都心、地方に関係なく情報や得たものをぜひ伝えていってほしいな、と思っています。すでに全国で1000人近くも修了者の方がいらっしゃるということなので、種まきを皆でしていったら、大きな変化になると思います。社会から心痛めて泣く人が減っていくこと、女性であれ、子どもであれ、傷つき泣く人が減っていくことを願って、私自身活動してきたいと思っています。

 

講座のホームページはこちら
中野市 こころのcare講座【Qimama~気まま~】

 

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